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学習指導要領や教科書の改訂で、数学の授業の内容はどのように変わりますか?
まず小学校の算数で大きな改訂があったことを受けて、中学校の数学では小学校へ下りていった学習内容を補充する形で新たな内容が盛り込まれたり,今まで「発展的な学習内容」とされていた内容が通常の正規の内容になったりしました。中学校の場合は、教科の内容として難易度が上がったというよりも、課題が増えたことによって教科書自体の厚みがかなり増え,授業の時間数も増えたことが特徴です。学習内容の変化だけを見れば、小学校の方が変化は大きかったでしょう。小学校の若い先生には、この変化に対応するために苦労されている方もいらっしゃるかもしれません。
授業水準としては、ゆとり教育が導入される前の状態に戻る方向に進んでいると言えば簡単でしょう。しかし学習指導要領の内容は、単に戻ったというわけではありません。これは他の教科にも共通して言えることですが、「ゆとり」と、それ以前の「詰め込み」への反省は残っています。この反省が反映された新たな学習指導要領には、より建設的な教育方針が打ち立てられています。
改善事項には、「国際的な通用性」「内容の系統性」の観点から指導内容を充実、と難しい表現が使われていますが、数学という世界共通言語の理解と発展によって、国際的な人材育成を目指していると解釈できます。この理念は、「詰め込み」でも「ゆとり」でも実現できないものでしょう。これに従った授業内容の拡大と深化であれば、今回の改訂について心配されている親御さんもご理解いただけるのではないでしょうか。
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